【GW企画】ロスガリア大陸の神話 その3

●はじめに

こんにちは、アルパカコネクト運営です。連日『AnnihEpica(アニエピカ)-幻創の箱庭-』情報をお届けする「GWはアニエピカ!」企画、お楽しみいただけていますでしょうか?

本日は引き続き「ロスガリア大陸の神話 その3」をお送りします。《クリーパー》との熾烈な戦い、そして歴史時代の始まりに、ぜひご注目ください!

●ロスガリア大陸の神話 その3

・紀元前800年?

 千年以上にわたる戦乱は、マテリアル界に完治できぬほど甚大な影響を及ぼした。ハーフビーストリザードマンをはじめとした様々な新種族の誕生もあったが、エーテル変質による大地と生態系の変化の方が余りに混沌を齎しすぎた。

 それでもなおマテリアル界が存続していたのは、ひとえに小さき神々が僅かなりともエーテルを与え続けた成果であったろう。逆に言えばそこまでしてようやく存続できたとも考えられる。

 かように戦況は未だ無尽蔵に流入する《クリーパー》の側に傾いてはいたが、しかし局
所的に見ればこの時、《クリーパー》に対する《授恵者》の戦力比はじわじわと優位へと変わり始めていた。
 数百年前、百の犠牲を必要とした超大型級討伐は半分で済むようになり、より多くの超大型級を狩れるようになった。エーテルの変質が世代を重ねるにつれ肉体を強固にしたという身体的要因も確かにあろう。しかし同時に、技能的な積み重ねがこの時期にようやく日の目を見たのだとも言われている。

 元より竜や《クリーパー》と比べて脆弱だった《授恵者》らは、主要な技能や討伐手順を後進の者へ教導することで命を繋いできた。その積み重ね、生き残る術の構築こそが戦力比の改善により深く影響したのだ。でなくば、そう考えねば連綿と技能を受け継いできた名もなき輩(ともがら)が報われぬではないか。そしてそう考えるに足る証拠とも言うべき技能の積み重ねが、現在の《授恵者》らにはある。

 この時代に生きる《授恵者》らもそう信じたし、この千年の重みがあったが故に彼は偉業を成すことができたのであろう。
 彼――『ジド・ルウ』の英雄譚の誕生である。

 彼はハーフリングの少年であった。
 小柄なかの種族において、青年は敵を叩き潰す力をひたすらに希求した。戦友を護る力を、理不尽を押し付けてくる敵を撥ね除ける圧倒的な力を。そのために彼は教えを請い、鍛えに鍛え、戦いに戦い抜いた。少年だった彼は壮年となり、それでも戦いをやめなかった。いつしか彼の周囲には志を同じくする者が集うようになった。

 理不尽を撥ね退ける力を。この思いは千年以上昔から《授恵者》なら誰しもが少なからず抱いていた思いであったろう。
 受け継がれてきた宿願を背負う彼らの先頭には、常にハーフリングの男が立っていた。
 彼は決して天才ではなかった。彼は戦闘の天才であったから先頭でいられたのではない。彼こそが先人の思いと教えを最も激しく実践し続けたからだ。

 現在にも伝わる叙事詩『ジド・ルウの歌』はこの時の彼とその戦友たち『二十四騎士』を題材にした英雄譚である。
 かくして戦い続けたジド・ルウは、その果てに救世を成した。
 超大型級《クリーパー》を討伐した――のではない。
 人間の限界進化に至った彼は考えた。考えに考え抜いた。勝利するために何を成せばよいのかを。その答えを得られたのは、彼が千年の宿願を背負っていたからであろう。そして彼自身もまたのちの者らに遺さねばならぬという使命感があったからに違いない。

 考えた末に、彼は自らに宿るエーテルを以て絶壁の境界の修復を行った。いや、その身を境界そのものと成したと言う方が正確であろう。
 彼は、ハーフリングの英雄は、戦友たる二十四騎士に後を託し、救世の英雄となった。
 彼の修復できた範囲は全体から見れば少なかったのだろう。しかし彼の示した答えこそが、小さき神々にとって重要であった。
 エーテルを操り、何かを作ることは造作ない。しかし、形なき境界の修復は彼らにとっても手に余っていたのは先述の通りだ。

 ならば、如何にして境界を修復するか。
 ――我が身を以てエーテルと成せばよい

 世代を重ねることなき唯一不変の神という存在には、これを発想し得なかったのであろう。あるいはその身に権能を宿す神々が消失すればマテリアル界に悪影響を及ぼすかもしれぬとお考えであったのか。

 この世に生きる者たちには伝わらぬ葛藤や論争が、この時の小さき神々にあったのかもしれない。けれども結果として、ジド・ルウの示した救世法は神々を動かした。
 小さき神々が境界を修復する――その身をエーテルと成す日、世界に神々の御声が届いたという。

「愛し子らよ、歩みを止めることなかれ。朋友よ、共に参らん」
 これはこの世のありとあらゆる場所に生きる全ての者が聴いた、と伝承に残っている。

 その日以降、超大型級《クリーパー》の数は目に見えて減少し、竜と《授恵者》らは破竹の勢いでアストラル勢を討滅させていった。

 後に、『混沌の夜明け』と呼ばれる転換点。
 それが前720年頃のことであり、超大型級《クリーパー》の流入がおそらく止まったであろうと結論付けられたのが、それから二百年ほど後のことであったと言われている。

 ――――混沌の夜明け。
 人間の英雄ジド・ルウをきっかけに齎された世界の転換はしかし、異なる者には畏怖を以て受け止められた。
 このマテリアル界を、と主に託された彼らにとって世界の守護は使命であり存在意義であり、そうでなくてはならぬものであった。

 故に彼らは、一つの選択をした。
 歴史に語られることなき、微睡みの選択を……。

・1世紀

 前520年頃、混沌の時代が終わり、『開拓時代』が幕を開けた。しかしそれは、人類にとって栄光の時代だったわけではない。

 変質してしまったマテリアル界エーテルは決して元には戻らない。あるいは数千年もの時を置けば楽園時代のそれに戻るのかもしれない。だが境界からのエーテル流失を食い止め、超大型級《クリーパー》による被害が減少し始めて二百年、未だ超大型級未満の《クリーパー》の跳梁を許している状況においては、楽園とはほど遠い状態であった。
 変動を起こした大地はそのまま存在し、比較的小物とはいえ多くの《クリーパー》が徘徊する中で、マテリアル界に息づく生命は自らの生存圏を再び確立していかねばならない。

 開拓時代とは、種の生存を懸けた烈火の時代であった。
 初めに開拓、というより適応したのは微生物や植物であった。
 自ら大きく移動して住みよい環境を手に入れることの少ない彼らは、生きるために自らを変質した。いや彼らは混沌時代より既に変質していたと言っていい。各地の環境に適応して戦乱を乗り越えた彼らにとって、開拓時代もまた混沌の世と大差ない時代と言えた。

 次に生存圏を獲得したのが数多の動物であった。
 適応か移動か、あるいは淘汰か。彼らは三つの道をそれぞれ選んだ。大樹海に適応したもの。適応できず滅びたもの。樹海より逃れ山岳を安息の地としたもの。砂漠こそが性に合ったもの。様々な動物たちが各地のエーテルに馴染みながら放浪した。そのさなかに人類と敵対した獣もいれば、人類に従った獣もいよう。

 彼らはマテリアル界各地に散りながら多様性を得た。その影響で魔獣と呼ばれるほどに変質してしまう種まで現れたのは、人類にとって不幸なことであったのだが。
 そして獣や竜と比べれば元来脆弱な肉体を持つ人間たちは、それぞれが住みよい地へと自然に集まることとなった。

 ヒューマンは穏やかな環境を求めて平原に。
 エルフはエーテルの馴染む緑多き大森林に。
 ドワーフは鉱物の気配を求めて山岳地帯に。
 ハーフリングは各地を渡り歩く流浪の民に。
 ハーフビーストは自由に駆けられる平原に。
 リザードマンは変わらぬ研鑽のため湿地に。

 混沌時代中期から暗黙のうちにとはいえ戦場を半ば分担するようになっていた彼らにとって、それぞれ定住する地が分かれるのは必然であった。気ままに旅をし気に入った所に居着くハーフリングこそが少数派であったと言えるが、それは彼らの祖先が遍く全ての大地を救ったが故にマテリアル界全てが故郷だと思えたから――なのかもしれない。

 ともあれ各地で開拓を始めた人類であったが、混沌の余波は容易に農耕を許さない。劣悪な環境に耐えながら集落を拓き、狩猟によって食いつなぎながら土壌改良を地道に行う。一つの集落で養える人口など僅かなもので、混沌時代の拠点を中心にして蟻のように少しずつコロニーを広げていくことしかできなかった。

 五百年。
《クリーパー》との闘争――血反吐に塗れた戦であったろうが、ある意味で華のある戦だ。何より巨大な《クリーパー》は数百人が一月食っていける――とは異なる自然との真綿で首を絞められるような闘争は、人々を疲弊させるに十分であった。

 生活の役に立たぬものは次々に失われ、今は亡き小さき神々の楽園時代や混沌時代初期の神話などはその大部分が散逸していった。開拓時代となってから姿を現さない竜たちの逸話も次第に忘れ去られ、マテリアル界はこの地に息づく生命だけが主導するようになった。

 そうした烈火の開拓時代の中、艱難辛苦を乗り越え一際発展した集落があった。
 のちに都市国家『フレーヴ』と名付けられた平原の大集落は、ヒューマンを中心にした人口数万の集落であった。
 このフレーヴが「我々人類は混沌を克服し栄光の時代を迎えた」と全世界に使者を送った年こそが、現代にまで続く暦、その紀元1年となった。

執筆:京乃ゆらさ
監修:アルパカコネクト

●おわりに

3日間にわたってお届けした「ロスガリア大陸の神話」はいかがでしたか? ファンタジーならではの壮大な世界を感じていただけたでしょうか。『AnnihEpica(アニエピカ)』のキャラクターメイキングの際は、こういった背景を少しだけ意識していただくのも楽しいかと思います!

さて、次回の更新はうってかわって各国のご紹介。主要3国と呼ばれるうちのひとつ「リーンエス王国」についてお届けします! ぜひお楽しみにしていただけると幸いです。

GWはアニエピカ! 情報公開予定


それでは、またの機会に!

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