マスター講座 実践編その5 - リプレイについて -

●はじめに

こんにちは、前頁に引き続き担当させていただきます、ムジカ・トラスです。

 さて、長きに渡った講座も今回で最後です。今回は、「マスタリング」を終えたあと、実際にリプレイを書くために必要なコツや注意点をお話しさせていただきます。

 ここまで、小説を書くこととマスター業務は異なることをご説明してきました。リプレイについても同様で、最も重要なことは「お金を頂いて預かったキャラクターを描写すること」、ひいては、「リプレイを通してプレイヤーを満足させること」です。ときには物語としての面白さよりも、キャラクターの言動や活躍を優先することが求められる点が小説と異なります。

 これらを踏まえて、実際の作業におけるポイントを3つ、お伝えしていきます。

●マスタリング結果を取捨選択しながらリプレイを書く

ここで、前回取り扱った「マスタリング結果」が重要になってきます。
 戦闘がどのような結果になったのか、あるいは、キャラクター間のやりとりがどのような結果になったのかを記録したマスタリング結果をもとに、リプレイを書くことになります。

 一番のポイントは、「取捨選択」です。
 マスタリング結果の中から、大事なポイントだけをピックアップしてリプレイに書き起こします。この際、「それぞれのキャラクターが活躍した場面」をより強調できるようにすると良いでしょう。

 例えば、戦闘シーンのマスタリング結果では、プレイヤーのキャラクターと敵キャラクターが互いに様々な行動を行います。
 攻撃が命中した、あるいは回避されたなど、無数の結果が羅列することになりますが、これらを一つ一つ書いていくと「○○の攻撃。敵に命中した」というような記述になってしまい、読み物として面白みが欠けてしまいます。
 一方で、これらすべての結果を丁寧に書くと、今度はリプレイの文字数上限に引っかかってしまいます
 そのため、それぞれのキャラクターの動きやキャラクターらしさ、活躍が伝わるリプレイになるよう、マスタリング結果の中からピックアップして描写していきます。それは同時に、キャラクター間でのバランスのいい描写や、プレイヤーに満足していただける描写にもつながるでしょう。

●プレイヤーが特に重きを置いているポイントを見抜く 

前回の講義で、「プレイングの意図」というお話をしました。
 プレイングには、限られた字数の中にプレイヤーがキャラクターにさせたいことが詰まっています。
 たとえば「どうしても書きたかったキャラクターの心情」や「敵の必殺技への対応」を読み取ることで、戦闘シナリオであってもキャラクターの心情描写を扱う、敵の必殺技に対するキャラクターの行動に描写の比重を置く、という判断ができるようになります。
 その成否がどういうものであったとしても、プレイヤーの関心がもっとも集まる点についての描写は、プレイヤーの満足度に直結します。
 これはプレイングを取捨選択するときの一つの基準になるので、是非活用してください。

●キャラクターの設定を間違えない

キャラクターの描写をする際に、設定を見落としたり、勘違いしたりしたまま書いてしまうミスに気をつけましょう。
 口調、性別、他者の呼び方……そういった細かな部分のミスが、プレイヤーに大きな不満を感じさせてしまうことがあります。
 マスタリングの段階でも一度プレイングシートを確認しているはずですが、実際にリプレイを書く際は、もう一度キャラクターの設定を確認しましょう。
 イラストではどう見ても女性に見えるのに男性(あるいは性別不詳)であったり、一人称が戦闘中だけ「俺」になったり……など、キャラクターの設定は見落としが生じやすい部分です。せっかくいいリプレイが書けたのに、細かなところで満足度を下げてしまうのはもったいないですから、慣れないうちは慎重に確認しておきましょう。

●終わりに

このマスター講座で扱った内容は、皆さんがマスター試験に臨み、その後マスターとして活動するにあたり抑えておくべき、基本的なポイントばかりです。
 皆さんが活動していく中で、自分に合った方法やスタイルを見つけて、長く楽しくマスター業務に携わっていただくための一助になれたら幸いです。

 長きにわたる受講、お疲れさまでした。
 皆さんと一緒に活動できる日を心から楽しみにしております。


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 0.初級編 - まだPBWを知らない方へ -
 1.実践編その1 - MS業務概論 -
 2.実践編その2 - オープニングについて -
 3.実践編その3 - プレイングについて -
 4.実践編その4 - マスタリングについて -
 5.実践編その5 - リプレイについて -

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